丹足に補助器具が不要な理由

丹足と足圧のちがい

丹足(たんそく)の特徴の一つは、不安定な立ち姿勢にあります。

 

丹足で使うのは、両足とハラだけ。片足は支えの軸足に、もう片足はほぐす踏み足に使います。ハラはこの両足の仲介者としてバランスを取ります。

 

手は使いません。

 

今の世の中には、足で踏む整体マッサージ法は幾種類もあります。YOUTUBEで試しに「足圧」と検索してみてください。

 

いろいろな足技を見つけることができるはずです。

 

しかしその多くは、体を支える杖やバーを使います。両手をフリーにした不安定な踏み方は非常に少ないものです。いえ、実際に丹足に体が慣れるまでは、なかなか体が安定しません。

 

半年、1年と丹足を続けていく中で、だんだんと体が一本足に慣れていくものです。

 

ではなぜ、丹足はわざわざこの不安定な立ち方を選んだのでしょう。補助器具を使わないという選択をしたのでしょう。

 

 

手を使う意味。使わない意味。

その秘密は「手」にあります。

 

丹足なのに「手」?どういうことでしょう?

 

補助器具を使うと、手で補助器具を持つということになります。つまり手を使うということになります。

 

これが厄介なのです。

 

試しに手に思いっきり力を入れてみてください。力いっぱい握りこぶしを作ってみてください。

 

そうするとどこに力が入りますか?どこまで力が伝わりますか?おそらく、あなたのこぶしから、腕、肩、そして肩甲骨まで筋肉が緊張していることを感じると思います。

 

そうなんです。

 

手に力を入れると、腕や肩、そして背中まで緊張が伝わって固くなるんですね。

 

もちろん緊張の度合いは一律ではありませんが、手は背中につながりが深いんです。手で頑張ると、背中も一緒に頑張るんです。

 

人間の体はそのようにできているんですね。

 

 

手を放すと動きだすハラ

ここで冒頭の丹足に話を戻しましょう。

 

丹足は両足とハラで行う運動です、と書きました。「ハラ」で運動するんです。「背中」で運動するんではないんですね。

 

だからなるべく手を使わない。手を働かせない。手をフリーにしておく。

 

 

 

これが丹足のミソです。

 

さあ理屈が解ったところで、後は丹錬あるのみ。

 

 

 

 

三宅弘晃