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師範代コラムvol.14 「道」の精神

第115回全日本剣道演武大会

 

師範のご縁で、第115回全日本剣道演武大会を観る機会を得ました。6段以上の有段者しか出場できない大会です。

 

試合前の7時からの朝稽古では、8段以上の有段者が他の大会出場者に稽古をつけておられました。あの熱気と緊迫感は、今も胸を高揚させます。

 

 

先に体得した剣道技術と剣道精神を、後に伝える文化が色濃く根付いている。真剣に教えを乞い、真摯に気付きを与え、そのステージに立つ者に開かれた学びと模索。

 

 

朝稽古後にお会いできた、この後の試合に出場される師範の遠縁のご親戚の方が、「憧れの尊敬する先生にちょっと長く稽古つけてもらえて!嬉しかった~!」

破顔して話された有6段者のあの一心さが、剣道の魅力を物語るようでした。

 

 

大会前の朝稽古風景
大会前の朝稽古風景

剣道の精神

 

大会の始まりの連盟責任者のご挨拶は、剣道者とは何たるかのお話でした。上皇になられた平成天皇のお言葉を受け、日本社会あげての課題克服に剣道者として責任を持つ、そうした意味のお話でした。

 

剣道の精神を伝え残し、日本の後世を守り繋いでいくために役立てるよう、日々鍛練を積み、修行に励んでもらいたいと、この大会に出場できる堂々たる剣道者の面々に、淡々とお話しされる。それこそが剣道者の存在意義であることを、双方が確認しあっている。

 

こうした関係や仕組みもまた、受け継がれ世代交代してきたものなのだろう。これからもしていくのだろう。

 

 

「道」とは伊達でない。歴史が担う偉大さを全身で感じた日になりました。

 

 

 

試合開始前の挨拶を聞く出場者の皆さん
試合開始前の挨拶を聞く出場者の皆さん

丹足道

 

私たちの協会は、「普及」と「道」の二つを併せ持ちます。核となる「道」があるから「普及」を志すことに今更ながら気づきました。

 

丹足という他にはない新しい道で、社会に寄与する一人になれる。自分のための丹足が、同時に人のための丹足になり、いつしか社会のための丹足になり、後世に生きる人のための道標となる。

 

丹足に挑む私たちは、少なくともそうした模索のステージを持っています。その模索を何にどう活かすか、問われたように思います。

 

 

 

 

 

師範代

井上紙鳶