第115回全日本剣道演武大会
師範のご縁で、第115回全日本剣道演武大会を観る機会を得ました。6段以上の有段者しか出場できない大会です。
試合前の7時からの朝稽古では、8段以上の有段者が他の大会出場者に稽古をつけておられました。あの熱気と緊迫感は、今も胸を高揚させます。
先に体得した剣道技術と剣道精神を、後に伝える文化が色濃く根付いている。真剣に教えを乞い、真摯に気付きを与え、そのステージに立つ者に開かれた学びと模索。
朝稽古後にお会いできた、この後の試合に出場される師範の遠縁のご親戚の方が、「憧れの尊敬する先生にちょっと長く稽古つけてもらえて!嬉しかった~!」
破顔して話された有6段者のあの一心さが、剣道の魅力を物語るようでした。
剣道の精神
大会の始まりの連盟責任者のご挨拶は、剣道者とは何たるかのお話でした。上皇になられた平成天皇のお言葉を受け、日本社会あげての課題克服に剣道者として責任を持つ、そうした意味のお話でした。
剣道の精神を伝え残し、日本の後世を守り繋いでいくために役立てるよう、日々鍛練を積み、修行に励んでもらいたいと、この大会に出場できる堂々たる剣道者の面々に、淡々とお話しされる。それこそが剣道者の存在意義であることを、双方が確認しあっている。
こうした関係や仕組みもまた、受け継がれ世代交代してきたものなのだろう。これからもしていくのだろう。
「道」とは伊達でない。歴史が担う偉大さを全身で感じた日になりました。
丹足道
私たちの協会は、「普及」と「道」の二つを併せ持ちます。核となる「道」があるから「普及」を志すことに今更ながら気づきました。
丹足という他にはない新しい道で、社会に寄与する一人になれる。自分のための丹足が、同時に人のための丹足になり、いつしか社会のための丹足になり、後世に生きる人のための道標となる。
丹足に挑む私たちは、少なくともそうした模索のステージを持っています。その模索を何にどう活かすか、問われたように思います。
師範代
井上紙鳶
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