今年一年の稽古を終え、改良していきたい取り組みパターン別に総括してみます。ご自身に当てはまると思うところをよく読んで、来年の稽古に活かしてください。
丹足が難しいけれど面白い人へ
「好きこそ物の上手なれ」です。今年一年を終えて、丹足技術の底上げと丹足関心の深まりに確かな手応えを感じています。今以上に聞いて聞いて聞きまくってください。聞かれることも面白くなります。答えることも面白くなる、そうして今直面している難しさをクリアにして取り組めば、着実に上達していくと思います。
型稽古がちょっとつまらない人へ
型稽古は言ってみれば基礎練習で、つい「もう分かってる」「好きに踏みたい」と意欲のわかない人が少なくありません。その姿勢は自分で自分の稽古を面白くなくしているようなものです。単純に、覚えてしまえば気後れすることなく、はじめから稽古に集中できますし、何よりモチベーションが上がります。また、一旦覚えればその意味を考えたくなるでしょう。自分自身の丹足を深めるきっかけになるよう、型を見直していきましょう。
丹練をついサボってしまう人へ
もったいないの一言につきます。現在、月に平均2回弱の稽古参加率ですが、稽古は毎日の丹練ありきで始めます。その成果を試す場であり、その成果で挑む場でもあります。成果が感じられれば嬉しいし楽しい、足りないと感じられれば悔しくて頑張れる、そうした意欲向上に向くループに乗れば楽になるし、100丹がルーティンになっていくかと思います。
丹練にムラのある人へ
丹練をしているかどうかは、面白いほどに丹足に出ます。体の使い方の面でも、取り組む気持ちの面でも、丹足を見た瞬間分かってしまいます。皆さん、分かってしまうと分かっているところもあるでしょうか。人間誰しも頑張れるときとそうでないときがあるものですが、100丹だけはなんとか守って頑張ってください。絶対に結果はついてきますから。
型の次の2級を目指す人へ
どれだけ相手に合わせられるか、そこに終わりはありません。なぜ合わせられないかは、どこを見てどこに集中するかを問われています。意地をはった目標では、頑張っても自分しか見えません。表面的な迎合では相手の真意を見ることはできません。まずは相手を見ること、そのままを探ること。思う以上に人の「大丈夫です」には幅があり、ズレがあります。何度も何度も何度も自分の踏みを問い直し、相手にも問う。そうして相手に合わす感覚を養っていきましょう。
◆来年の目標◆
横の繋がりを強化した稽古が目標です。もっと上手くなりたい、もっと丹足を知りたい、ハラを知りたいと欲する気持ちを各人が表に出すこと、それを稽古仲間で共有して意見交換することが、丹足上達に必須だと思うからです。
自分の中では見つけられない答えを、仲間は教えてくれます。ヒントをくれます。でもそれを掴みとるかどうかは自分次第です。共に学ぶ仲間、切磋琢磨して高め合う仲間の一人でいるかどうか。意見交換で見つけたものをどんなふうに活かすか。
相手ありきの丹足です、一人ではまた堂々巡りなのです。仲間と一緒になら活かすための行動がきっとできる。
だからこそ小さな輪になってはもったいないです。仲間をもっと増やしていく必要があります。人の数だけ個性が増え、驚きも知る喜びも増えるでしょう。集中も要ります。ペアを越えて、稽古場全体が一つになる集中が生めると思います。
そんな熱気が前面に出る、欲求に溢れた稽古をしたい。間違っても直していけばいいだけ、仲間がいれば聞く耳を閉じる心配はないと思っています。
小さくまとまりたくありません。小さな丹足を教えたくもない。どこまでもダイナミックで生命力溢れる丹足を目指したい。そのためにも仲間という横の繋がりと、その繋がりがもっともっと増えることを望みます。
平成30年12月31日
千照館師範代 井上紙鳶
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