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師範コラムvol.11 普及と丹錬

新しい時代に向かって

平成生まれの丹足

皆さんあけましておめでとうございます。今年もまた皆さんにとって良き一年となりますよう心より願っております。

 

我々の活動も今年の6月で3年目に突入します。それに先立つ4月に新しい元号に変わります。こういう節目の時をどう迎えるか、どう活かすかによって人生の展開は大きく変わると思います。皆で意見を出し合いながら、新しい時代に向かって力を合わせたいところです。

 

この丹足は平成の時代に生まれました。詳しくは本サイトで公開されている「揉道連載」をご参考頂けたらと思いますが、もともとあった「足圧」(これはいつの時代にどのように成立したかのかについては諸説あります)、この足圧を私が習得したのが平成13年であり、その後10年ほどの時をかけて熟成を重ね、「丹足」として新しい命を得ました。

 

いわば平成という時代が醸成したものが丹足であり、当協会の皆さんはこの丹足を平成から新しい時代に向かって伝えていく伝承者とも言えます。千年先まで丹足が健全に伝わっていくために、今の私たちがすべきこと、できること、今年の初めに確認をしておきたいと思います。

 

 

内に丹錬

まず自らの内面に向かっては、「丹錬」そして「型錬」です。これなくして千照館道場生である意味を見出すのは難しいものです。一日百丹、つまり毎日100回の四股を踏む。なぜ百丹が必要かと言えば、我々人間が本来もっているはずの、足腰の粘りを帯びた強靭さを取り戻したいからです。

 

継続的百丹によって我々の足腰は劇的に粘りと強さを取り戻します。その粘る足腰をもって型錬を行う。正式な丹足の型は百丹を続けることで段々と様になっていきます。つまり百丹が健全な美しく正しい丹足へと皆さんを導いてくれます。

 

さらに百丹には、もう一つの効用があります。それは自分自身への自信を深めるという効用です。どれだけ忙しくても、少々頭が痛くて苦しくても毎日百丹をする。百丹を続ける。百丹を切らさない。それは自分に言い訳を許さないということです。こういう努力の中でこそ、自己への確たる自信というものが芽生えていきます。

 

 

外に普及

 

「金は天下の回り物」という言い回しがあります。商売人の間では、お金は人に回せと、お金の流れを自分のところで止めてしまうと次にお金が回ってこなくなる、そういう経験則をよく言います。これは丹足にも言えることだと思います。

 

例えばボディビルは、基本的に自分のためだけの努力です。中には筋力をつけて介護職に活かそうとしている人もいるかもしれませんが、多くは自分の筋肉美を追求しているはずです。しかし丹足はそれだけではない。自分自身の身体を強く美しくすると同時に、相手をおもいやり癒すことも丹足の大きな目的です。つまり丹足は初めから自分と相手の共存共栄と言う性格を強くもっています。

 

皆さんは丹足を自分のところで止めていないか。常に自分に問いかけることが大事です。自分が意味がある、価値があると思っていることを人に伝えないのであれば、それは偏った愛情ともとれます。伝えるのが家族だけであれば、それは限定された愛情とも言えます。そういう人に周りが与える愛情は必然的に減少するでしょうし、それ以前にやはり自分自身を悲しく感じさせると思います。

 

私はわごいちの秘術であった丹足をこの活動で一般公開しましたが、お陰で心は晴れやかです。そしてこの冬には3名の新しい道場会員さんを我々の活動に呼び入れました。友人に賛助会員になってもらいました。もちろんそれ以外に多くの人に声をかけていることはいうまでもありません。

 

一人一人を大切に、どの人に丹足を伝えたらその人の助けになるだろうかを考え、行動に移すことは大事です。結局はそれが自分を活かし助けることになるのですから。丹足をあなたのところで止めてはなりません。どう伝えていくかを常に考える。それが丹足普及です。

 

 

普及と丹錬は対である

 

今回は年の初めということもあり、我々の活動の原点について書きました。何しろ団体名が「丹足普及協会・千照館」ですから、普及と丹錬は表裏一体なのです。

 

始めは丹錬から入ってきてもいいでしょう。普及から入ってきてもいいでしょう。しかし素直に誠実に活動を続けていると、段々とそれが「対」であること、丹錬と普及を絡み合わせていくことで皆さんが願う自己変革と社会貢献が実現することが、きっと見えてくると思います。

 

そうなるとこの活動がより楽しくなってくる。なぜならこういうものはあまりないからです。「自分のため」と「相手のため」が初めから前提となっている「丹足」だからこその面白みがあるのです。それを活かさない手はないでしょう。これからの激動の時代に、新しい価値観である「丹足」にどう挑み、どう伝えていくか、それぞれで考えながら共に歩んでいきたいと思います。

 

今年一年、よろしくお願いいたします。

 

 

 

代表理事兼師範

三宅弘晃